不動産投資を始める前に理解すべき3つの「ゲームのルール」の一つ目です。
この記事で伝えたいこと
- 【ルール 1】銀行と、不動産会社と、自分の3者で獲りあうゲームである
- 【ルール 2】時間を味方につけて、不動産「資産」を創るゲームである
- 【ルール 3】手元資金ではなく、社会的信用力を使って始めるゲームである
このうちのルール 1について、イメージを掴んで頂けるように説明をします。
3人の登場人物
ここで言う3者とは、銀行、不動産投資会社、投資家(私たち)のことです。
区分投資は一般に、銀行などの金融機関から区分の購入費用の全額を借り入れ、その借入金で不動産投資会社から区分を購入し、その区分に入居してくれた貸借人から家賃を得る、という形をとります。
家賃が入るとまず、その一部を使って借入金の返済を行うので、この時、銀行が金利を獲ります。金利の設定は銀行の制御下なので、私たち投資家には手が出せません。
次に、毎月の返済額が何で決まるかというと、銀行が設定する金利はもちろん効いてきますが、元本は不動産会社が設定した区分販売額です。
不動産投資会社は自社の購入額に利益を上乗せして販売しており、その上乗せ額の設定は不動産投資会社の制御下にあります。通常は私たち投資家にはほとんど交渉の余地が残されていません。ここで不動産投資会社が利益を獲り、その分借入金の総額が上がり、銀行への毎月の返済額が上がります。
銀行の制御下にある金利と、不動産投資会社の制御下にある区分購入額で毎月の支払額が決まり、毎月の家賃収入からそれを差し引いた残りが、投資家の獲る分になります。
入居者からの家賃を銀行、不動資産投資会社、投資家、の3者で獲りあうイメージを理解できたでしょうか?
自分で制御できる要素を見つけ出す
ここで肝心なのは、金利も区分購入額も投資家の制御下にはなく、毎月の収支、すなわち「買った後のキャッシュフロー」はほぼスタート時点で決まるという事実です。
そして、その他の細かな経費支出も含め、キャッシュフローに関して投資家が制御できる要素は実のところほとんどありません。物件自体を見直し、より安価な区分を探す努力をするのが精一杯です。
しかし悲観的に考える必要もありません。3者で獲りあうと言うルール自体は変えられませんが、このルールの内で投資を成功させるにはどうしたらいいのか?を考える努力をすればいいのです。
少ないかもしれませんが、それでも投資家が制御できる要素を見つけ出し、そこに着目して区分物件や不動産投資会社を選ぶ努力をしましょう。なぜならば、「買った後のキャッシュフローがどうなるのか」はスタート時点でほぼ決まるからです。
買う前にこそ、じっくりと拘った戦略の考察が必要です。区分の購入額は考察対象として最たるものといえるでしょう。
買った後のキャッシュフローとP&L(Profits and Loss=帳簿上の損益)については、別の記事で実際の数値を使って、より視覚的に説明するようにします。そうすることで、投資家の制御できる要素がよりはっきりと見えてくるはずです。
ここではまず、「3者で獲りあうというゲームのルールによって、買った後のキャッシュフローはスタート時点でほぼ決まる」という事実をしっかりと理解しておきましょう。
ゲームのルールの②と③はこちらです。
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